進化するガラス工芸

太古ではガラス製品は一部の人間しか持つことができなかったため、力の象徴とされていました。 しかし、3世紀ごろに吹きガラス製法という新しいガラスの製造技術が開発されてからはガラスの大量生産が可能となり、多くの人がガラス製品をもつことができるようになりました。

その後7世紀頃になると新たなガラス製造技術が開発されます。 それはクラウン製法と呼ばれ、遠心力を利用してガラスを平らにする製法でした。これにより窓ガラスの製造がより身近になります。

そして、16世紀になるとようやく建築物にガラスが利用されはじめ、建物に窓ガラスが設置された様子をよく見ることができるようになりました。 これは当時の新しいガラス製造技術であるシリンダー製法の登場が大きいと言えます。 シリンダー製法は円筒状にしたガラスを一度縦割りし、平らに伸ばす製法です。 これにより、ローマ、シリア、ベネチアなど主に欧州を中心にガラス製造が発展していくこととなります。

ちなみに日本では弥生時代の遺跡からガラス玉が見つかっています。 これは日本でつくられたものなのか、外国から伝わったものなのかははっきりとしていないようです。しかし、紀元前3世紀ごろにはペルシャよりシルクロード、中国を経て正倉院にガラスが伝わったとされています。

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